通称「統一Ⅱ」と呼ばれる薬ゼミの秋の模試を受験された方、おつかれさまでした。
自己採点結果を見て、自分の日々の努力が報われたと思った人、不安な気持ちになった人、もっと頑張ろうと奮い立つ気持ちになった人、各々の感想を胸に抱いたことと思います。
統一Ⅱの受験直後から約2週間の間に、私のもとには82件(2022.12.04現在)という非常に多くの模試関連の感想が届きました。
それを受けて今回は、寄せられた受験生の声をシェアするとともに、得点別に「今おすすめしたい学習内容」を紹介します。
統一Ⅱ受験者の投稿(一部抜粋)
上記は投稿された感想の一部になりますが、内容をじっくり見ると点数は150点~280点と非常に幅広い得点分布となっていることがわかりました。
投稿された感想に対する所感
寄せられたコメントを見ると、統一Ⅱは点数を取りやすい傾向にあったようですが、過度に低く見積もる必要はないと私は考えています。『「今回の模試は簡単だったため、20点分低く見積もった点数を自分の得点とするように」との薬ゼミ講師の発言があった』という内容が質問箱への投稿にありましたが、現時点で取れている点数(または20点マイナスした点数)が何点であろうと、悲観する必要はありません。今あなたに必要なのは、悲観せず努力することだけです。
点数の高い人は油断して学習を中断しなければ、きっと本番でもいい結果を迎えられます。引き続き頑張ってくださいね!
点数の低い人は悲観する暇があったら、徹底的に生活の中の無駄を排除して生活と学習の効率化について考えてみるべきです。
いまから、私のおすすめの勉強法と、生活効率の向上についての提案を記載します。
よければ参考にしてみてください。
得点別「今おすすめしたい学習内容」
下記に記載するのは、“やくぷり的”にオススメの得点別学習内容です。
信じたいと思う方だけやってみてくださいね。
【~150点の方】
統一Ⅱで150点以下は、正直言ってここからかなり踏ん張りが必要です。
アクセル全開で勉強し、生活の中で発生している無駄は全て取り払うつもりで残り3か月弱を過ごしましょう。人間らしい生活は諦めて、勉強マシーンになってください。
さて、150点未満の人が今やるべきことは
です。統一Ⅰ模試の記事と同じ内容となりますが、点数が低い人がやるべき内容は時期を問わずいつでも同じです。
得意な科目があればその科目から、得意も苦手もないならば薬理・病態からスタートしましょう。
薬理病態で得意な分野があればその分野にまず取り組むべきです。
得意な分野が特になければ、感染症からスタートするとよいです。
その理由は、感染症は薬理病態に留まらず、衛生や生物と幅広く出題されやすい分野だからです。
毎年少なくとも10点分は感染症関連の分野から出題されているので、まず10点アップを確実にすることができます。
私が執筆しているSUPER INPUT感染症マスター編では、たった52ページのテキストを読むだけで過去問10年分すべてを網羅した知識を獲得することができます。もちろん、SUPER INPUT血液系マスター編も、「血液系が苦手過ぎて点数がとれない」という人でも、点数が取れるようにわかりやすく解説しています。しかし、どっちかにしか時間が割けないということであれば、感染症マスター編の方が手っ取り早いと思います。(理想は1週間ずつ合計2週間で感染症と血液系の2分野マスターすることですが汗)
「何をしていいかわからない」と困っている人は、困っている時間さえももったいないので、感染症分野でもその他の分野でも、すぐに今から自分がやるべきことを決めて、勉強に取り掛かってください。
【~200点の方】
200点未満のゾーンでは、少々焦りを感じている人も多いかもしれません。
まだ11月中頃時点では、試験範囲を一周できていないという人もいると思うので、200点未満だからといって一概に嘆く必要もないと考えています。
「やったところは確実に取れている」状態ならば、何の問題もありません。そのままご自分のスタイルで学習を継続すれば合格ラインに確実に近づいていきます。
もし一通りの学習は既に終わっていて、復習もしているつもりなのに200点未満に留まっているのであれば、自己流の学習にしがみつかずに、他者の意見を取り入れつつ学習を進めていくと今後プラスに働く可能性があります。
200点未満の人におすすめの勉強法は、
●自分が最も得意だと思っている科目をやりこむこと
●自分が得意だと思っている科目と他の科目との繫がりを意識してみること
です。
薬剤師国家試験の9科目は、バラバラに見えても全て繋がっています。
よって、1つの科目をやりこむことは、他の科目も併せて少しずつ進めていることと同義です。
そして苦手を克服するよりも、得意を磨く方が有利です。
得意な科目ならば、苦手科目よりも全体を俯瞰しながら勉強を進めることができますし、他科目との繫がりにも気づきやすい傾向があるからです。
横に繋げて勉強できるようになることは成績アップの鍵。
私が執筆したテキスト(SUPER INPUT)は、1冊のテキストに多科目の内容を詰め込んでおり、「1つの薬に関連して問われる事項を全ての科目に渡ってカバーする」ように構成しています。
過去10年分の過去問で問われた内容を網羅できるように作成しているので、興味があればお手に取ってみてください。
200点未満の方で、薬理病態の正答率が70%を切るようならもう少し詰めてもいいと思います。薬理病態に関する実力が問題ないと考えている人は、衛生と生物を重点的にやりつつ、物理や薬剤に手を広げていくとよいと考えます。法規は1度完成させたら、1~2週に1回触れる程度で良いと個人的には考えます。(※法規に触れる頻度については鵜吞みにせず、ご自分の定着度や記憶力を加味しながらご自分で調節してください。)
【200~240点の方】
冬前の時点でこの点数に到達しているならば、大抵の人は合格できるはずです。
たとえ今回の模試が例年より簡単であったとしても、200点未満と200点以上の差は大きいと考えてよいと思います。
200点~240点の方におすすめしたい勉強法は
●自分がどちらかというと苦手意識を感じている科目に力を入れること
だと思います。
苦手科目は「とても苦手」「少し苦手」と苦手意識の中にも差があるはずです。
ここでは「少し苦手」程度の科目を得意に変えることを目標として勉強していきましょう。
物理や薬剤を苦手としている方なら、1日1問は最低でも計算問題に触れるなどストレスが過度にかからないようなマイルールを決めて1週間程度実行してみましょう。1週間やってみて続けられそうなら継続し、どこかでルールを破ってしまいそうな自分が想像できるなら、ルール改変をしてみましょう。
「理論の物化生は捨ててもいいのか?」という質問がありましたが、私は「他を完璧にすることを条件に重要度を下げてもいい」と思います。ただし、NMRなどやればできる分野が理論で出たら必ず取るようにしましょう。物化生の全てを捨てていいとは全く思いません。
そもそも、「何かを捨てる」という考えがあまり好きではありません。
私は、国試受験の時にあまりに勉強をスタートさせるのが遅すぎて時間がなかったため化学を捨ててしまいましたが、その代わり化学以外は完璧を目指して勉強しました。自分の中で「これは捨てる、その代わり他はとれるから大丈夫」と割り切れるほどしっかり勉強できるならば、何かを捨てることに対して反対はしません。しかし「○○を捨てていいのか?」と人に尋ねる時点で、質問者さんの中で「点数をとる教科、とらない教科」の線引きが曖昧であるように感じます。
上手く言えませんが、線引きが曖昧だと特定の科目を捨てたとしても、やると決めた他の科目の勉強の達成度も曖昧になってしまうような気がします。そういう人は、何かを捨てることを意識せずに、薬理病態→生物衛生→薬剤物理→法規化学(※実務は各科目の学習を進める中で同時並行)など、自分の中で計画を立ててその順番で進めるのが吉だと考えます。
私が上記の赤文字箇所で、2科目ずつ並べて進めるように記載したのは、「科目の同時並行は横に繋げて学習するために必須」だと考えているからです。
横に繋げた学習は、記憶への定着と深い理解、そして成績アップの鍵です。
私が執筆したテキスト(SUPER INPUT)は、1冊のテキストに多科目の内容を詰め込んでおり、「1つの薬に関連して問われる事項を全ての科目に渡ってカバーする」ように構成しています。
過去10年分の過去問で問われた内容を網羅できるように作成しているので、興味があればお手に取ってみてください。
【240点~の方】
冬前の段階で、240点以上もの高得点を取ることができるあなたは、きっとこれからも自分を磨いて見事合格していける人だと思います。
このままあと3ヵ月努力を続けて、どうか成功を勝ち取ってきてください。
あなたのたゆまぬ努力は、必ず実を結びます。
生活の中で発生する時間の無駄を考える
日常生活の中では、様々な「もったいない時間」が発生しています。
どんな時間が受験生にとってもったいない時間なのか考えてみましょう。
【もったいない時間】
●食事を作る時間
●食器洗いをする時間
●お風呂を洗う時間
●お洗濯をする時間
食事は健康的な受験生活のために欠かせないものです。
どんなに時間がなくても、毎日カップラーメンを食べたり、お菓子だけで食事を済ませるのは絶対にやめましょう。お肌がボロボロになれば肌が痛くて勉強時の集中力低下にもつながりますし、虫歯になれば葉が痛くて勉強どころの騒ぎではありません。体調を崩して受験できないなんてことになったら元も子もありません。
実家にお住まいの人は、ご家族に協力してもらって健康的な食事をしっかり摂りましょう。
1人暮らしの人は、タンパク質や野菜も忘れず食べて、健康管理をしっかりしてください。
しかし、1人暮らしでバランスのいい食事を毎日作り続けるのは、大変な労力と時間がかかります。
解決策としては
●一度にたくさん料理して冷凍保存しておく
●宅食を利用する
ことです。
業務スーパーやアマゾン・楽天でも、冷凍のカット野菜は手に入ります。そのような冷凍食材を利用して野菜を洗う手間や切る手間などを省力化し、大量の作り置きを冷凍保存しておくのはとてもいい方法です。常温で保管できるカット野菜もあるみたいです。
冷凍庫が小さかったり、作り置きを作る時間も惜しいという人であれば、宅食サービスを使うのもとてもいい手段です。宅食を使えば、食器洗いもしなくて済む場合もあります。
宅食サービスを色々調べてみると、個人的に一番おいしそうなのは
という宅食サービスです。宅食サービスについて比較検討した記事は別ページにまとめているので、こちらから見てみてください。食事を作る時間・食器洗いの時間を節約できれば、1日1時間以上の勉強時間(または自由時間)を確保できます。
残り約3か月の受験勉強期間で100時間の余裕を労せず作り出すことができれば、大きなアドバンテージになるはずです。
お風呂を洗うのもストレスです。
ゴシゴシこすり洗いするのは、時間もかかるし面倒。
だから、泡を吹きかけておくだけで、お風呂洗いが完了する洗剤を使いましょう。省ける手間はわずかでも省いた方がいいです。
お洗濯の手間を省力化する方法は、私も考え中です(涙)
同じ服を何着も買っておいて、脳死でそれを着倒すのは意外と時短とストレス軽減に繋がるのでやってみてもいいと思います。
以上、私のおすすめの勉強法と、生活効率の向上についての提案でした。
残り約75日間、一生懸命頑張って合格しましょう!
●自分が最も得意だと思っている科目をやりこむこと