薬剤師国家試験に合格することができたら、
あなたはもう、立派な薬剤師。
薬剤師の「たまご」はもう卒業です。
しかし、薬剤師免許を取得したものの、
いきなり患者さんの前に放り出されたら…
それは困る。
手取り足取り何でも教えてくれる先輩は意外と世の中少ないもので、
なんだかんだ新人だって、
自分で少しずつ知識を体得していくしかないのが悲しいかな現実です。
大手薬局・ドラッグストアが行う「新人研修」。
これだって、患者さんの前ですぐに役立つものばかりではありません。
(研修に参加してみれば、この言葉の意味が解る方も多くいらっしゃると思います。)
今回は、研修があろうとなかろうと、
現場にいきなり放り出されるに等しい多くの新人薬剤師さんに向けて、
持っておくと「安心」・「間違いない」
薬剤師としてのはじめの1冊をご紹介します。
①気軽に読める本
「臨床で役立つ知識が欲しいけど、ムズカシイ本は読めないかも…」
そんなあなたの ”はじめの1冊” としてオススメなのは
かなり気軽に・簡単に読める本。
以下に挙げる本は、参考書感が少なく、
「ふむふむ。へぇ~~」と前のめりになって読めること請け合いの本達です。
ぜひ一度、ご覧あれ。
基礎からわかる類似薬の服薬指導
この本のポイント
- 2コマ漫画で読みやすい
- 患者さんからの具体例な質問が紹介されているので、
- 服薬指導をする場面が想像しやすい
- 「服薬指導のポイント」が平易な言葉でまとめられており、国試の薬理や病態で身につけた知識を活かすことができる。
- 1回の投与量や減量基準など、学ぶ機会の少ない内容をプラスして勉強できる。
基礎からわかる服薬指導
この本のポイント
- 「患者さんへ」という、服薬指導時の決まり文句が載っているから、服薬指導時に必ず患者さんにお伝えすべき内容を、インプットすることができる。
→服薬指導のポイントを学ぶのに適している。 - 有名薬の作用機序を再復習できる。
- 国試で勉強した薬の中でも、特に押さえておきたい薬や作用機序・その他ポイントをピックアップして素早く整理できる。もちろん商品名も同時に学べる。
②役に立つに決まってる辞書
今日の治療薬2023
この本のポイント
- とにかく有名すぎる辞書。薬剤師でも数年おきに買い替える人多数。
各章の冒頭では”総論”が記載されていて、薬理学の記憶が曖昧になってしまった時でもすぐに思い出すことができる。 - 最新版の2023年度版では、解説章末コラム「薬剤師の視点」を新設された。他にも、薬価,後発品,製剤写真をオンラインで確認できる付録サービス「e-OMAKE(いいおまけ)」サービスが開始。昨年からは便覧に妊婦への薬剤投与に関するリスク分類を表すマークが追加された。
- 乳幼児への用法容量がきれいにまとめられていて、とにかく見やすい。
- 紙が薄いので分厚いわりに重量感少なめ。
- ただ薄すぎて蛍光ペンを引きすぎると裏に移ってしまうのだけが難点。
- コンパクトさが魅力。薬局によっては、「辞書を自分で持参するように」と言われることもあるため、通勤時に持ち運びやすい&薬局内に置いておきやすいコンパクトさは大きな魅力。
③人気度が高い本
薬の比較と使い分け100
この本のポイント
- 有名すぎる本。持っている人多数。内容はかなり初歩的だけど、だからこそ新人にぴったり。
- 複雑な図や表がないので、サラッと読みやすく、短時間で読み終われる。
- 同種同効薬の中で2種類程度をピックアップして解説しているので、全ての同種同効薬について学ぶことはできないものの、無理なく国試で身につけた知識と照らし合わせて読み進めることができる。
OTC医薬品の比較と使い分け
この本のポイント
- わかりやすい図解が多い。上述の「薬の比較と使い分け100」と同じ先生が執筆している。ドラッグストアで働くなら、はじめの1冊にぴったり。
- 患者さんの症状やニーズに合ったOTCの選び方について、約800点の参考文献を明記して解説している。病院薬剤師や薬局薬剤師でも患者さんにOTC医薬品について質問を受けることもあるため、有効成分の特徴を徹底比較している本書は、オススメ。
医療情報検索テクニック
この本のポイント
- 添付文書やIFなどの医薬品情報の読み方・情報へのアクセスの仕方がわかる。
いつも ”なんとなく” で読んで、 ”なんとなく” わかった気になっていた医薬品情報。全ての知識を記憶することは不可能だからこそ、身につけておくべきテクニックが満載。 - 新人薬剤師がメインで登場し、業務中に直面した疑問を読み解いていくスタイル。会話形式で進行するため自分に重ねて読みやすい。
- 200ページ以下でライトに読める。
以上、「はじめの1冊として、ぜひおすすめ!」と思う本だけピックアップしてご紹介しました。
他にも良い本は沢山ありますが、
今回は記念すべき
「薬剤師としての、はじめの1冊」
だから、
難しすぎず、簡単すぎず、
「買ってよかった~」と思ってもらえるような本を厳選したつもりです。
よければぜひ、今回ご紹介した本を手に取ってみてくださいね。